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修理屋さんのイラスト

賃貸物件の水漏れトラブル-修理の依頼先と費用負担先はどこになる?

賃貸物件で水漏れ!費用負担はだれになる?

基本は貸主(大家さん)の負担?賃貸物件での水漏れ修理費用

水漏れトラブルが起きた場合、基本的には業者に依頼して修理することになりますが、もちろん修理費用がかかります。
パッキンやカートリッジといった消耗部品の劣化に起因する水漏れであれば、その修理費用の相場は8,000円~12,000円程度(内訳:作業代・部品代など)です。
ご家庭の経済状況にもよりますが、決して手放しで「安い!」と言える金額ではないでしょう。

住まいが持ち家であれば、これは当然自分で支払うしかないのですが、仮にマンションやアパートなどの賃貸物件でこのようなトラブルが起きた場合、管理会社や大家さんに費用を負担してもらうことはできるのでしょうか?

賃貸物件における修繕費用は、入居時の契約や、何が原因で水漏れが起きたのかによってどちらが負担するのか変わってくるのが一般的です。詳しく見ていきましょう。

修繕費は基本的に大家持ち

契約内容を再確認しよう!水漏れの原因次第でどちらが負担するかが決まる

賃貸物件において水漏れトラブルが起きたとき、その修繕費用は必ずしも自分で負担しなければならないとは限りません。
むしろほとんどの賃貸契約は、給水管や排水パイプ、蛇口のパッキンやカートリッジといった部品の老朽化が原因となって起きた水漏れについて、基本的に大家さんが費用負担することで修繕するという内容になっています。

つまり、入居者に過失(例えばモノをぶつけて水道管を破損した、長時間水を出しっぱなしにしていたなど)がある場合を除き、原則として修繕費用を請求することができるわけです。

物件の所有者である大家さんは、常に当該物件が安全かつ快適に暮らせる環境であるよう管理する義務を負っています。その「快適な環境」に、水漏れトラブルを速やかに解消することも含まれているのです。

しかし、これはあくまで一般論であり、最終的には各契約の内容に依存することとなります。
仮に特約などで「小修繕は自己負担とする」といった内容が盛り込まれていれば、消耗品など部品の劣化による水漏れでも、その交換費用は自己負担となります。
賃貸物件にお住まいの方は、一度契約内容をよく確認しておくことをおすすめいたします。

ケース内容 特約なし 小修繕自己負担の特約あり
軽度の水漏れ部品の経年劣化等 貸主負担 借主負担
重度な水漏れ水道管破損等 貸主負担 貸主負担
住人の過失による水漏れ 借主負担 借主負担

まずはプロに水漏れの原因究明をしてもらう

修繕の費用負担を貸主と借主どちらがするかはっきりさせるためにも、賃貸物件で水漏れが起きたらその原因究明は必須事項となります。
しかし、これは素人が見ただけで簡単にわかるものではありません。

結局のところ、修理を依頼する業者に現場まで来てもらい、そこでの目視によって判別してもらうしかありません。
プロの目で見てもらうことで原因がはっきりとし、どちらが費用負担するかについても揉めることなくスムーズに結論付けることができます。

提携する修理業者がいる場合もある

ここでもう一つ大事なのは、自身だけで勝手に業者を決めて依頼しないことです。
なぜなら賃貸物件の場合、大家さんや管理会社が提携している水道業者がいることも多いからです。

提携先であればどちらが負担することになるにしても、費用を抑えられる可能性が高く、話もスムーズに進みやすくなります。
水漏れが起きたらまずは大家さんや管理会社に連絡し、指示に従って動くのが良いでしょう。

契約によっては、提携先の業者を使わない限り一切費用負担をしないという内容になっていることもあります。確認の意味も含めて、まずは連絡を取ることが大事です。

契約内容と連絡先を把握しておこう

昔と変わり、最近では大家さんが同じ敷地内に住んでいて、普段から顔を合わせる機会があるような賃貸物件は減りました。家賃のやりとりも直接の手渡し、なんてケースは非常に稀で、管理会社を通した振込や引き落としが一般的です。

顔見知りであれば、トラブルが起きたときにもいろいろと融通が利くかもしれませんが、そうではなくなっている以上、契約内容が全てです。
万が一のトラブル時にはどこに連絡すればよいのか、そもそも契約内容はどうなっているのか、これらをあらかじめ把握しておくことが大事です。

もし深夜にトラブルが発生したら?

夜間対応の窓口がないかを確認!最低限の応急処置で元栓閉める

水漏れトラブルはいつ発生するか予測ができないので、大家さんや管理会社に連絡がつかない夜間に起こることもあります。

それが緊急を要するレベルの場合も、まずは契約書関係の書類の確認からすべきです。
24時間対応のコールセンターや、この手の夜間トラブルの対応窓口が記載されていることもあるので、もし記載があればそちらに連絡しましょう。

そういった対応窓口も確認できない時には、水漏れ修理業者に直接連絡するしかありません。
水漏れの原因は書面にしてはっきりと残した上で、後日連絡して事情を説明しましょう。領収書などをなくさないように保管しておくことも大事です。

日頃から元栓の位置を把握しておく

賃貸物件での水漏れを放置しておくと、最悪の場合階下の部屋への浸水にまでつながることも考えられることから、とりあえずの応急処置は最低限できるようになっておく必要があります。

元栓を閉めるだけで、ひとまず水の噴出は止められるはずなので、元栓の位置だけはあらかじめ把握しておきましょう。
多くの場合、玄関横のメーターボックスに水道メーターと元栓が並んでいます。

元栓は住居ごとに区分けされているため、閉めても他の部屋には影響が出ません。修理業者が来るまでの間に浸水する可能性があるなら、応急処置として閉めておきましょう。

もしもの時の応急処置と水道修理業者の選び方

天井(階上)からの水漏れ

賃貸物件では自身の部屋ではなく階上でなにかしらのトラブルが起き、天井から水漏れしてくることもあります。

これは上階の住人の不注意(水を長時間出しっぱなしにしていた)の可能性もあれば、劣化による水道管の破裂など、防ぎようのないものによる可能性もあります。
前者であれば原状回復費用は階上の住人負担であり、後者であれば大家さんの負担となります。

いずれにしても、原因がはっきりとしない以上は、自分で階上の住人とやりとりをしても揉め事になってしまう可能性の方が高く、問題の解決にはつながりません。
こういった場合にも、まずは大家さんや管理会社への連絡を最優先し、指示を仰ぐようにしましょう。

大家さんとのトラブル

大家さんとのトラブルは国民生活センターへ

賃貸物件は無数にあり、その数だけ色々な大家さんや管理会社が存在します。中には大家さんとしての義務をまともに果たそうともしない人もいます。
こういった大家さんに借りた物件で水漏れトラブルが起きた場合、正当な手順を踏んでも問題が解決しない可能性もあります。

例えば下記のようなケースです。

  • 水漏れが起きているのになかなか業者を手配してくれない
  • 原因は部品の劣化なのに、高額な修繕費用を請求される

こうした新たな問題に発展してしまった場合、間に入ってくれる管理会社がないのであれば国民生活センターなどの相談窓口を頼りましょう。
いずれも第三者の立場として解決のアドバイスをしてもらえるので、自分で無理に解決しようとせずに頼っていくべきです。

参考記事 国民生活センター 賃貸住宅の原状回復トラブル

まとめ

賃貸物件での水漏れ時に一番大事なのは、「原因をはっきりさせる」ことです。
原因がわからなければ、借主と貸主、どちらか修繕費用を負担するのかが決まらず、話が進みません。

余計なトラブルを回避するためにも、問題が起きたらまずは大家さんや管理会社への連絡を徹底しましょう。

そして、いま住んでいる部屋の契約やトラブル発生時の連絡先などは、あらかじめ把握しておきましょう。