水漏れが起きたら!応急処置と修理業者選びについて

人の生活に水は欠かせないものであり、洗い物やお風呂、トイレなど家の中ではあらゆる場面で水道が使われることとなります。
繰り返し使っていく中でどうしても水道周りの部品などに劣化が生じ、ある日突然水漏れは起きてしまうです。
ある程度の予防をしておくことはもちろん大事なのですが、それでも完全に防ぐことは難しいでしょう。
急に起きた水漏れでパニックを起こさないよう、自分でできる応急処置などやるべきこと、そして実際に修理をするにあたって呼ぶ業者の選び方について確認しておきましょう。
水漏れの応急処置とやるべきこと

まず、水漏れが起きてしまったその場でできる応急処置や、その後にやるべきことについて確認をしておきます。
しっかりと対応できれば、水漏れが起きたとしてもそこまで大きな事態とはならず、スムーズに問題を解消することができるはずです。
STEP1 水道の元栓を閉める
規模にもよりますが、水道の蛇口やトイレなどで水漏れが起き、止めたくても水が出っぱなしになっているようであれば、まずは元栓を閉めることです。
マンションなどでは水漏れの状態が続いて床にまで浸水してしまうと、被害が階下へと及んでしまい、多額の賠償責任が発生してしまう恐れもあります。
また、高額な水道代請求にも繋がるため、まずは元栓を閉めて水を止めることが最優先となります。
STEP2 症状を確認する
元栓を閉めるなど最低限の応急処置が終わったら、水漏れの具体的な症状を調べましょう。
もっとも多いのは蛇口周辺から少量の水が漏れ続ける症状で、原因の大半はパッキンの劣化です。
パッキンを交換するだけで大抵は治りますが、万が一別に原因があった場合に困るので、やはり業者に修理依頼を出すのが無難です。どこの業者へ依頼しても金額や品質に大きな違いはありません。
症状に応じた一般的な修理方法と費用相場を調べておけば、悪質業者に騙されるリスクを大幅に軽減できます。
よくあるトラブル | 修理内容 | 料金相場 |
---|---|---|
一般的な蛇口からの水漏れ | パッキンなど消耗部品の交換 | 8,000~12,000円程度 |
蛇口の破損による水漏れ | 蛇口本体の交換 | 15,000~30,000円程度 |
パイプの水漏れ | パイプの修理・交換 | 8,000~20,000円程度 |
STEP3 火災保険等の確認
火災保険には、その契約内容によっては水道修理の出張サービスが付帯されていることがあります。
修理料金の全額が補償されるとは限りませんが、5,000円程度であれば保証されることもあります。あまり使う機会のない保険なので忘れられがちですが、確認してみる価値はあるでしょう。
このほか、契約した不動産会社が独自に用意しているサービスや、契約時に案内される有償オプションで水道修理サービスが受けられる可能性もあります。
まずは火災保険や住宅の契約内容を確認し、無料もしくはお得に使える水道修理サービスがないか確認してみましょう。
なお、賃貸物件の場合は修理費用を大家さんが負担してくれることもありますので、まずは大家さんや管理会社に相談するのがベターです。
賃貸物件で水漏れ・詰まりが発生した場合の費用負担と注意点STEP4 水道修理業者に連絡する
次に、水漏れの修理を依頼する業者へ連絡しましょう。
日中であればどの水道修理業者でも電話で受け付けてくれますが、夜間の場合は注意が必要です。
夜間でも緊急を要する状態であれば24時間対応の業者を選ぶしかありません。夜間対応の分、料金も多少割高となってしまいます。
症状が軽いものでしたら、とりあえずの応急処置として元栓だけ閉めておき、翌日以降に業者を呼べばよいでしょう。
電話の時点で水漏れの状況を詳細に伝えられれば良いですが、素人では水漏れの原因まで正確に特定するのは困難です。したがって、実際に専門家である業者に見に来てもらい、その場で調べてもらうこととなります。
STEP5 見積もりをもらう
原因の特定と修理に必要な作業がわかった段階で、見積もりを出してもらいます。
これは絶対に忘れてはいけません。
見積もりを出さないまま契約をしてしまえば、その後にいくら請求されたとしても出された請求額を支払わなくてはいけなくなります。高額請求を常習的に行っている悪質な業者は、見積もりを出さずに契約を先に促してくるところさえあります。
水漏れというトラブルを早く解決したい気持ちから、焦って契約してしまう方も多いようですが、必ず見積もりを先に確認するようにしなければいけません。
前もってある程度の相場を把握しておき、そこから逸脱して高額なようであれば、一度契約は見送るべきです。
現場に業者の作業員に来てもらっている状態で断りを入れるのはなかなか心情的にも難しいものはありますが、それこそが悪質な業者の狙いでもあります。納得できなければ毅然とした態度で断りましょう。
見積もり内容に問題がなければ、その場で契約をして修理作業に入ってもらうこととなります。
水漏れ修理の料金相場はこちらSTEP6 水道局へ減額請求する
業者によって修理が完了した後にも、まだやるべきことはあります。
水漏れの量が多い場合や、発生から長時間経過している場合は、管轄の水道局へ連絡することで水道料金の一部を免除してもらえる場合があります(漏水減額請求)。
これまでの水道使用量よりも飛躍的に増えていることや、水道局から指定を受けている給水装置工事事業者を使った履歴があることが免除の条件となるようですが、当てはまるようであれば申請してみましょう。
水漏れ修理業者の選び方と見極めポイント

修理までの流れややるべきことを確認していただいたことでお気づきかもしれませんが、水漏れ修理においては実際に業者の作業員に現場に来てもらった上で、その場で見積もりを出してもらい、契約をするかを決めなければいけません。
見積もりの請求金額が相場よりも大幅に高額だった場合、もちろんその場で契約を断るべきです。
しかし、現場に実際に来て「もらっている」という状況で、見積もりに納得できないからとはっきり断りづらい空気になるのも事実です。そしてそれこそが悪質業者の狙いでもあり、相手に断りにくい雰囲気を作り上げ、無理な契約に持ち込むことを得意としています。場合によっては契約を断ろうとすると恫喝されるような事案も発生しています。
だからこそ大事なのが、事前の業者選びであり、安心して任せられるところなのかどうかの見極めとなるのです。
水漏れの状態を見てもらい、見積もりを出してもらった時点で考えるまでもなく安心して契約できる、そんな優良業者を見極めるためのポイントをまとめました。
比較項目 | 優良業者の場合 | 悪質業者の場合 |
---|---|---|
料金 | 相場に見合った設定 | 相場よりも大幅に安いか料金表示がない |
支払い方法 | 現金の他、クレジットカードやQR決済にも対応 | 現金払いのみ |
見積りとキャンセル | 無料 | 料金が発生する |
対応スピード | 各所に営業所があり、いつでもスピーディーな対応 | 状況によって大幅に対応時間がブレる |
運営実績と評判 | 運営歴が長く、水トラブルの対応実績数が多い | 運営年数の表記がなく、口コミ評判が悪い |
資格 | 水道局指定工事業者である | ホームページなどで資格の有無が確認できない |
適切な料金設定になっているか?
依頼をする側にとって一番気になるのは、水漏れ修理の料金相場ではないでしょうか?
蛇口から少し水が漏れる程度なら劣化したパッキンの交換だけで済むことがほとんどで、相場は8,000~10,000円程度(内訳:作業代・部品代など)となります。
見積もりの段階で相場よりも安ければ良心的と言えますが、安いだけで修理作業がいい加減では本末転倒です。せっかく修理してもまた短時間で水漏れを起こしてしまう可能性さえあります。
料金が安いのは良いことですが、それだけで決めるべきではないでしょう。
どのような支払い方法に適応しているか?
必要に応じてクレジットカード払いの可否は確認しましょう。
水道修理は個人で運営している業者も多く、規模の小さいところでは現金払いにしか対応していない場合がほとんどです。
逆に大手の水道修理業者は、クレジットカード払いはもちろん、一部ではQRコード決済(PayPayなど)での支払いにも対応しています。
クレジットカード払いの可否はホームページなどから簡単に確認できます。確認するためのホームページがないような業者は、避けておくのが無難でしょう。
見積・キャンセル料の規定は?
費用の事前確認と業者選定で重要なのが、出張見積まで無料で対応してもらえるかどうかです。
一般的な水道修理業者は、現場で症状の確認(点検)を行なって具体的な修理内容とそれに応じた料金の見積りを提示し、それを受けて契約するかどうかは依頼者が決めることができます。
契約となって、初めて料金が発生するわけです。
もしこの時点で契約しないと決断した場合は、見積料や出張料は0円となります。
しかし業者によっては現地へ出動した時点で出張料が発生する場合があります。
さらに悪質業者になると、契約をしなければキャンセル料を請求してくることもあります。
出張料の発生に関しては致し方ないと言えますが、キャンセル料を請求してくる業者は絶対に避けるべきです。
現場到着までのスピード感は?
次は電話連絡から自宅へ駆けつけてくれるスピードです。
ちょっとした水漏れ程度であれば緊急性は低いですが、床が浸水するレベルでは一刻を争います。そうした場合には、業者がいかに早く来てくれるかは大事でしょう。
個人レベルで動いている業者の場合、前後の依頼状況によって対応時間は大幅に左右してしまいます。
やはり各所に営業所を持つ大手業者の方が、緊急時の対応スピードも速くなるのは必然であり、依頼しやすくなります。
運営実績や口コミ評判は?
業者の評判ですが、これはネットで口コミを調べるのが一番簡単です。
しかし、一部の悪質な業者はGoogleなどの口コミで「高評価を投稿すれば割引する」という手法でレビュー件数と高評価を稼いでいます。
内容に具体性がなく、異様に高評価だけに偏っているような場合、この手法による偽装の可能性もあるので注意が必要です。口コミやレビューは投稿数や評価点数だけではなく、投稿内容の質までチェックすると信頼できる業者かどうか見極めやすくなります。
また、信頼性を一番担保してくれるのは、企業の規模と運営年数です。企業の規模が大きければ大きいほど、そして運営年数が長ければ長いほど、多くの人々に信頼されている証拠となります。つまり、「大手であれば間違いない」という考え方です。
口コミの真偽などをじっくり調べる時間が無いのであれば、業者の規模を判断基準にすると良いでしょう。
名の知れている大手企業であれば、信頼性は十分高いと言えます。
「水道局指定工事業者」に認定されているか?

水漏れ修理を依頼する業者を選ぶにあたり、その信頼性を測る意味でも確認しておきたいのが「水道局指定工事業者」であるかどうかについてです。
水道局が指定する「水道局指定工事業者」で無ければ、依頼を受けて水道周りの工事を行ってはいけないことになっているので、基本的に修理業者はこの資格を持っています。
ホームページなどで、この資格を持っているかどうかを必ず確認しましょう。
また、修理業者は水道局指定工事業者であることに加え、在籍するスタッフ1名以上が給水装置工事主任技術者という資格を取得していなければなりません。
給水装置工事主任技術者は、厚生労働省が実施する国家資格の一つで、試験は年に1回のみ、実技はなく学科試験のみで取得できます。
給水装置工事の実務経験3年以上が受験資格となっているため、水道修理や関連の工事経験がない完全な素人が受験することはできません。
ちなみに給水装置の定義は道路下の配水管の分岐点から家の中の蛇口までです。給水装置工事主任技術者の職務領域は設置や撤去・交換のほか、修繕と点検も含まれています。
トラブルが起きる前に信頼できる修理業者を選んでおこう
重度な水漏れが万が一起きてしまった時、まず始めにやるべきは床下への浸水などを防ぐための応急処置で、元栓を閉めて水自体が出ないようにすればひとまず安全です。
そこから先、トラブルの元を解消するには修理の専門業者に依頼することになりますが、ここでどの業者を選ぶかが非常に大切です。
料金や対応スピードなど、いくつか比較する点はありますが、なによりも大事なのは安心して任せられる信頼性があるかどうかです。
大手の業者を選んでおけば間違いはありませんが、あらかじめトラブルが起きた時に依頼できる業者の選定は済ませておくとよいでしょう。