日本のトイレ事情-高機能・最新の弱点は?
タンクあり・タンクなしの違いとエコトイレ
タイプ別に紹介!メリット・デメリットを見極めて適切なトイレ選びを
掃除のしやすさやスタイリッシュさから人気のタンクレストイレは、停電などの災害時には使えなくなるリスクが高いので注意が必要です。近年では、エコの観点から水を全く使わない男性便所も登場してきました。
WATER LEAKAGEトイレの種類と水漏れ原因
トイレと一口に言っても、実は様々な種類のトイレが存在しています。
大きく分けると、タンク式・タンクレス・小便器の3タイプとなり、それぞれに水漏れや詰まりのウィークポイントが見られます。
タンク一体型トイレ
洋式トイレの中でも基本となるのがタンク式トイレ。
タンク式(タンク一体型)がどういうものかというと、トイレの洗浄に利用する水をタンクの中に貯めておき、使用時に水を流すときにレバーを引くと、そこから一定の水が流れ、トイレの中が洗浄されます。
タンク式トイレは水を流す原理がシンプルで、タンクレストイレのように電気を動力源としないため、災害時にも水さえ止まらなければ機能します。
多様化するトイレ
現在も主流になっているタンク式トイレには複数のグレードがあり、以下の機能性に差があります。
- 節水型(節水性能の高さ)
- ウォシュレット
- 暖房便座(瞬間・貯湯)
- パワー脱臭
- 人感式&モーター式のオート便座開閉
- 自動除菌機能
各メーカーで多数のトイレ商品が用意されていて、機能に応じて値段が変わります。
タンクレストイレ
最近、富裕層を中心に普及しているのがタンクレストイレ。
タンクレストイレは、文字通り洗浄に貯めておく水を吸水するタンクがないものを言い、従来のタンクを用いたトイレの様式とは一線を画します。
排水の方法はいくつかに分類されますが、電動ポンプの圧力で水を流す場合、停電に見舞われると水を流せなくなるというデメリットがあります。ただし、ロータンクがない代わりに省スペース性が高まり、デザイン的な先進性も感じられます。水漏れなどの故障や電気系統の故障のリスクがやや高いのが特徴でしょう。
水を溜めない構造から、本来はタンクの上部に付いている手洗い場がありません。
そのためタンクレストイレを設置する家庭はトイレ内に小さな手洗い用洗面台を設置するスタイルが人気です。
そうなるとトイレの工事代金が高くなり、トイレとは別に手洗い用洗面台の故障リスクが発生します。
少ない量の水で流すため水道代を節約できますが、維持費を含めた総コストはタンク式トイレより高くなる可能性があります。
男性用小便器
一般家庭に置いていることはほとんどありませんが、公衆トイレや学校、商業施設や駅の構内などには、男性用の小便器が多く設置されています。
男性用の小便器は、男性が小用を足すための便器です。その特徴は、陶器が非常に大きいということ。また、排水不良などで水が床面へ漏れたり、排水時に便器から水が溜まってしまったりするなどの故障が起こります。
無水小便器
昨今、施設などのトイレで増えているのが無水小便器です。
名称の通り水を流さないタイプの男性専用小便器で、水を使わない分だけエコになるメリットがあります。
ただし、定期的にカートリッジの交換をする必要があり、必ずしもランニングコストの低減に繋がるとは限りません。
給水装置は不要ですが排水工事をしないといけないため、設置費用も水洗トイレと同等以上です。
理論上は多くの人が使うトイレほどコストカットに繋がります。
無水小便器を導入する施設は水道代の節約だけではなく、エコへの取り組みや最新式トイレを導入する先進性・高級感をアピールする目的を持っているケースが多いです。
故障の原因は?
すべての便器に共通している故障は排水不良です。
なかでもタンクレストイレはやや特殊で、原理上、故障が頻繁に発生してしまいます。
また、排水不良などの原因の多くはパッキンの劣化で、これを交換することで正常な状態に戻ることもあります。
しかし、故障の原因はトイレの種類によって様々。タンク式トイレであれば、ボールタップやフロートゴム、給水管など、多くのパーツから構成されており、どこかが劣化したり、故障したりすると、トイレは正常に機能しなくなります。
こういったときには、やはりプロの業者に依頼して状況を改善してもらうのが一番でしょう。
高機能ほど故障しやすい
昨今はトイレの高機能化が進んでいますが、機能が増えるほど故障のパターンが多様化します。
たとえば人感式センサーの便座自動開閉機能が付いているトイレは、センサーおよびモーターの故障リスクを伴います。
新しいトイレは簡単に壊れませんが、経年劣化するほど細かい機能の不具合・故障が増えていくので注意しましょう。
古いトイレは水道代が高いことに加えて水詰まりや水漏れが頻発するものです。最新トイレは様々な面で進化しているので買い替えるのも一つの手ですが、高機能型は将来の故障リスクが高まることを理解した上で購入するタイプを選びましょう。
海外のトイレとの差
海外の一部地域ではトイレットペーパーを流すことができません。
これは日本と違って水道の水圧が弱い、もしくは安定していない理由で水詰まりを起こしやすいことが関係しています。
理論上は水圧が強いほど水詰まりが起こりにくいですが、昨今は技術の進歩で節水タイプでも水詰まりがしにくいです。古い型のトイレは水をたくさん使っているにも関わらず、汚物や紙を大量に流すと水詰まりや水漏れを起こしやすいです。